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「紗羽、行くことねぇよ。蓮だって待ってんだし」
晴希は吐き捨てるようにそう言うけれど、一度は大輝ときちんと話をしなければならない。
「蓮って、紗羽の彼氏?」
コクンと頷いた。
「紗羽、今から出れねぇ?」
「……わかった」
「ちょっ、紗羽! 待てって!」
晴希が止めようとするけれど、それを振りきるように言葉を放つ。
「ごめん、晴希。蓮に言っといてくれる? あとで蓮の部屋に行くからって」
「……自分で言えよ。ちゃんと蓮の顔を見て言えよ」
「……蓮の顔を見たら言えなくなるかもしれないから、晴希から言って。……お願い」
『NO』と言われると思ったから、返事は聞かずにそのまま大輝についていった。
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