真実

7/14
前へ
/358ページ
次へ
「紗羽、行くことねぇよ。蓮だって待ってんだし」 晴希は吐き捨てるようにそう言うけれど、一度は大輝ときちんと話をしなければならない。 「蓮って、紗羽の彼氏?」 コクンと頷いた。 「紗羽、今から出れねぇ?」 「……わかった」 「ちょっ、紗羽! 待てって!」 晴希が止めようとするけれど、それを振りきるように言葉を放つ。 「ごめん、晴希。蓮に言っといてくれる? あとで蓮の部屋に行くからって」 「……自分で言えよ。ちゃんと蓮の顔を見て言えよ」 「……蓮の顔を見たら言えなくなるかもしれないから、晴希から言って。……お願い」 『NO』と言われると思ったから、返事は聞かずにそのまま大輝についていった。
/358ページ

最初のコメントを投稿しよう!

6943人が本棚に入れています
本棚に追加