あなた色に染まりたい

行かないで

「蓮……キスしたい」

目の前の蓮が凄く愛しくて……

触れたくなった。

でも……

「……その前にちゃんと今日の話が聞きてぇ」

そうだった……

あたし、まだなにも話していない。

「……大輝に、やり直したいって言われた」

「ん……で？ 紗羽はなんて言ったの？」

なんか、あたしの話すことがわかっていたような言い方だ。

「蓮のことが好きだから受け入れられない……って言った」

「ん」

「でも……」

一瞬緩んだ蓮の顔がまた歪んでいく。

「諦めないって……取り戻すって……キ、キ……」

「キ？」

「キ、キス……された」

蓮の顔を見れなくてそのまま俯いた。

「それって、同意のもと？ 無理矢理？」

「無理矢理……」

あたしがそう言った瞬間、蓮はあたしにキスをしてきた。

凄く激しいキス。

こんなに激しくて乱暴なキスは初めてだ。

それでも蓮のキスは好き。