行かないで

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蓮の首に腕を回して、もっともっと……と求める。 蓮の唇が首筋に降りてきて服を脱がされた。 直接肌に触れる蓮の手や唇が気持ちいい。 あたしは蓮が好き…… 蓮が好きだからこんなに感じる…… だから大輝とはもう過去なんだ…… 過去…… 過去…… だったら、なんであのとき嫌だと思わなかったの? 「紗羽?」 「え」 突然キスを中断して蓮があたしの顔を覗き込んで来た。 「何を考えてる……? 俺のこと、ちゃんと見ろよ!」 真っ直ぐな瞳を向けながらそう言った蓮の言葉は凄く力強くて。 どうしよう…… あたし今、蓮とキスしながら……大輝のことを考えていた。 「蓮、あたし……」 そんな中途半端な自分が嫌になって涙が出てきた。 「……他にも何かあったんだろ?」 「……」 相変わらず鋭い蓮に、つい顔を背けてしまった。
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