プロポーズ

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「……ほんとはすっげぇ嫌だけどそのおかゆ下さい。紗羽、食べれる?」 「うん」 『うん』とは言ったけれど、元彼が作ったものを彼女が食べるって嫌に決まっている。 蓮に申し訳なくて涙が出そうになってきた。 それでも今はそのおかゆを食べて薬を飲んだ方がいいと思うから、大輝が持ってきてくれたそれを少し食べてから薬を飲んだ。 「大輝さん、合鍵を返してください」 「やっぱ返さねぇと駄目?」 「当たり前です!」 蓮が真剣な表情ではっきりと言い放つのを見て、また心臓がぎゅっと掴まれたように痛くなった。 そんな蓮を前に大輝は溜め息混じりに口を開いた。 「お守りだったのにな」 「何の?」 何で鍵がお守りになるのかわからなくてつい訊いてしまった。 「紗羽とまた付き合えますようにって」 「……」 あまりにも真っ直ぐな瞳を向けながら話すから言葉に詰まる。
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