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「違う。……つか、大輝さん、帰ってもらえます?」
蓮はベッドで寝ているあたしの頭をやさしく撫でながら、静かに言葉を放つ。
「俺、紗羽に話があって来たんだけど」
そんな蓮に大輝は小さく息を吐きながらそう言ったけれど……話?
昨日あれだけ話したのに何の話があるんだろう。
大輝の話が気になりながらも、昨夜のことで『違う』って言った蓮の話も早く聞きたいって思う。
「じゃあ三分で終わらせて下さい。それから俺もここで聞いていますから」
蓮はそう言って、身を引くように少しベッドから離れた。
それと同時に大輝が二歩ほどこっちに歩み寄ってきた。
「三分? みじけぇな。じゃあ早速言わせてもらうよ。
――紗羽、卒業したら俺と結婚してくれないか?」
「えっ!?」
結婚!?
予想外の言葉に目を見開いて固まってしまった。
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