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「……」
「……」
静かになった部屋の中。
頭がずきずきと痛むのに、それでもあたしの脳内は大輝のプロポーズのことでいっぱいだった。
「頭が、痛い……」
「大丈夫か? 病院に行く?」
独り言を呟いたつもりがすぐ横から大好きな声が響いてくる。
でも……
「蓮、無理しなくてもいいよ。あたし、蓮に嫌われるようなことしちゃったし、もう……帰っていいよ」
そう言ったと同時に涙が溢れてきた。
ほんとは『帰っていい』なんて少しも思っていない。
傍にいてほしい。
だけど昨日のことを考えると、これ以上嫌われたくないという思いが脳内を占領して、こんなことを口走ってしまった。
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