プロポーズ

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「紗羽、誤解してる。……俺、紗羽のことを嫌いになってねぇし、離れたつもりもねぇよ」 「でも昨日……」 「あれは……紗羽に酷いことをしそうだったから。俺、自分で自分を止められる自信がなかったから」 蓮は苦しそうな表情でそう言うけれど…… 酷いことって何? 何を止める必要があるの? 蓮の考えていることが全くわからず、蓮の瞳を真っ直ぐに見て次の言葉を待った。 「紗羽から大輝さんとのキスが嫌じゃなかったって聞いて、俺すっげぇ嫉妬して苛々した。あのまま一緒にいたら……嫌がる紗羽を無理矢理抱きそうだったから」 そう言った蓮は眉を下げたまま視線を落としてしまった。 蓮はあたしの前じゃいつも笑顔でやさしく接してくれる。 今、蓮にこんな表情をさせているのは間違いなくあたしなんだ。
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