6943人が本棚に入れています
本棚に追加
「あ、うん。泣いていたらいつの間にか寝てて、深夜に寒くて目が覚めちゃった」
「俺、最低だ。何やってんだよっ」
蓮は俯きながら髪の毛をくしゃくしゃにかき回している。
「蓮、今日は一人にしないで。ずっと傍にいて」
「ああ、一緒にいるよ。ずっと傍にいる」
やさしい声でそう言った蓮はゆっくりと近づいてきて、あたしの唇にキスを落とした。
でも、慌てて蓮の胸を押す。
「うつっちゃう!」
「俺のせいで出た熱だからうつせよ」
そう言って もう一度キスをした。
啄むようなやさしいキスが、次第に貪るような激しいキスに変わっていく。
蓮のキスは好きだけれど……
「……れ……ん、ごめ……しん、どいっ」
体が限界だった。
「わ、わりぃ……やべっ、紗羽大丈夫か!?」
「ん」
蓮にはそう言ったけれど……
頭が痛い。
体がだるい。
くらくらする。
眉をぎゅっと寄せながらゆっくりと瞼を下ろした。
最初のコメントを投稿しよう!