プロポーズ

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. 次に目を覚ました時、部屋の中はもう薄暗くなっていた。 ほとんど一日中寝ていたんだ。 でも少しすっきりした気がする。 「蓮?」 部屋は薄暗いし、物音ひとつしないから蓮がどこにいるのかわからない。 ゆっくりと辺りを見回すけれど…… あれ、いない? 布団から出てキッチンの方へ向かう。 たけど、やっぱりいない。 どこへ行ったの? とぼとぼと部屋へ戻り、ベッドに腰掛けた。 ぼーっとしながら部屋の中を見渡すと、あるものに視線が止まる。 手にとって蓋を開けると……薄暗い部屋でもキラキラしているのがわかる。 大輝…… プロポーズされた時は正直どきっとした。 好きとか嫌いとかじゃなくて、プロポーズなんて人生の中でそんなに多くされるものじゃないから、……めちゃくちゃどきどきした。 あの時の大輝の顔は凄く大人だった。 あたしの知らない顔…… この三年で大輝もきっといろんな面で成長したんだ。
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