6943人が本棚に入れています
本棚に追加
「あ」
「ん? どうした?」
「それ……」
ふと視界に入ってきたもの……
テーブルの上にあるものを指差すと、蓮の視線もその場所に移る。
「鍵?」
「うん、蓮が持ってて」
合鍵。
ほんとはもっと早くに渡しておくべきだった。
そしたら、こんな風に蓮に嫌な思いをさせなくてすんだのかもしれない。
「いいのか?」
「うん。蓮に持っていてほしい」
「ん、サンキュ」
そう言って、蓮にぎゅっと抱き締められた。
あたしも蓮の背中に腕を回す。
「なあ……」
胸に耳を当ててリズムよく鳴る鼓動を聴いていると、蓮が遠慮がちに口を開いた。
最初のコメントを投稿しよう!