プロポーズ

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「あ」 「ん? どうした?」 「それ……」 ふと視界に入ってきたもの…… テーブルの上にあるものを指差すと、蓮の視線もその場所に移る。 「鍵?」 「うん、蓮が持ってて」 合鍵。 ほんとはもっと早くに渡しておくべきだった。 そしたら、こんな風に蓮に嫌な思いをさせなくてすんだのかもしれない。 「いいのか?」 「うん。蓮に持っていてほしい」 「ん、サンキュ」 そう言って、蓮にぎゅっと抱き締められた。 あたしも蓮の背中に腕を回す。 「なあ……」 胸に耳を当ててリズムよく鳴る鼓動を聴いていると、蓮が遠慮がちに口を開いた。
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