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「紗羽、大輝さんと連絡をとっているの?」
今の電話を聞いていた美香が心配そうな顔で言う。
「ううん」
「じゃあなんで? 会うんでしょ? 蓮くんは知っているの?」
美香たちには大輝からプロポーズされたことは言っていない。
言うつもりがなかったわけじゃなくて、言うタイミングがなかっただけ。
「うん。近いうちに会うことは知ってる」
三人とも吃驚しているけれど……
大輝と電話で話すだけじゃなく、会うって言っているんだから驚くのも無理はない。
しかも蓮がそれを許したってことが信じられないのかもしれない。
「蓮とはうまくいってんだろ?」
「うん、いってるよ」
「じゃあ何で?」
普通に考えて、うまくいっていたら大輝と二人で会う必要はない。
今が話すタイミングなのかもしれない。
「みんなには言ってなかったんだけれど……あたし、大輝にプロポーズされたの」
「「「は!?」」」
三人の声が見事に重なった。
……そりゃ、吃驚するよね。
「すっげぇ吃驚なんだけど」
「同感」
晴希と悟が顔を見合わせて呟くように言葉をこぼす。
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