あなた色に染まりたい

友達

「てか、晴希！」

「何だよ？」

さっきまでの和やかムードから一転、美香から鋭い声が飛んできた。

「いくら掃除のためとはいえ、紗羽と二人きりだからって手ぇ出したりしちゃダメだよっ！」

何を言い出すのかと思えば……

晴希はそんなことしないのに。

「は？ ……んなことしねぇよ」

「あーでも騙された。まさか紗羽のことだったなんて……」

美香はブツブツ言いながら車を降りていった。

再び車を走らせたけれど……

「美香がいなくなったとたん静かになったな」

「ふふ、そうだね。でもあたしはあーいう美香が大好き」

いつもテンションが高くて周りを盛り上げてくれるし、それにいつもあたしのことを一番に心配してくれる。

ほんとに大切な親友だよ。

「そっか、紗羽にとって美香は最高の友達なんだな」

「うん！」

そんな話をしていたら、あっという間に晴希のアパートに着いていた。