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土曜の朝、10時ぴったりに大輝が迎えに来た。
指輪をバッグに忍ばせて大輝の車に乗り込んだ。
「おはよう」
「おー、……少し走るぞ?」
「うん」
車を走らせている間、窓から見える景色を眺めながら大輝との思い出を振り返っていた。
大輝に一目惚れしてあっという間に恋に落ちた春。
いつも大輝の姿を目で追って、目が合うと、どきっ、と胸が高鳴って、話ができると走り回りたいくらいに嬉しくて……
あの頃のあたしって、自分で言うのもなんだけど可愛かったなぁって思う。
飲み会で潰れて、でもそれを機会に大輝と急接近して付き合い始めた夏。
いつも大輝と一緒にいて、凄く楽しくて……
大輝との初めてのキスも……
初めて抱かれた時も……
こんなに幸せなことはないって。
綺麗な海と空に永遠の愛を誓った時は、一生一緒にいるんだって信じていた。
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