大切な思い出

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帰りの車内は行きとは全く違う雰囲気で、お互いに楽しくしゃべりながら過ごした。 「紗羽はいつもこの間のメンバーでいるのか?」 「うん」 「俺がいた頃は晴希とはそんなに仲良くなかったよな?」 確かに…… 飲み会で近くの席になったときくらいしかしゃべらなかったかもしれない。 「晴希とは三ヵ月前から一緒にいるようになったの。あたしが変な男に狙われちゃって」 「変な男?」 「うん。とにかくしつこい人だったの。一人で受けている講義の時にいつも声をかけられて、たまたまその講義が晴希と一緒だったから……」 「解決したのか?」 「うん。晴希と蓮に守ってもらった」 あれはほんとに怖かった。 晴希に守ってもらって、蓮にガツンと言ってもらって…… 結局あのあとは一度も声をかけられることはなかった。
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