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だんだん晴希の指が近づいてきて、あと十数センチってとこで気が付いた。
「ままままって！ 指差さないで！」
かぁって頬が熱くなるのがわかった。
蓮が付けたあのキスマーク。
晴希はこうやって突っ込むヤツだったんだ。
慌てて左手で隠したけれど、次はその手を離せなくなって……
かなりパニくってしまった。
「あははは……紗羽、パニくりすぎ。ここ来る前に蓮と愛を確かめ合ってきたのか？」
口の端に笑みを浮かべながら言うけれど……
晴希ってば、鋭すぎ！
それに蓮がこんなとこにつけるから。
隣に座る蓮を見上げるけれど、何もないようにビール缶に口をつけている。
蓮は何でこんなに冷静なの？
助けてよっ……
視線を送るけれど全く気付かない。
「もうヤダ」
「いいじゃん、見せ付けとけば」
半泣きになってこぼした言葉に反応した蓮が放った言葉が……これ？
蓮、何言ってんの？
無意識に眉はハの字に口はヘの字に曲がってしまう。
「ぶはっ、蓮すげぇわ、おまえ」
それに、晴希が吹き出す気持ちもよくわかる。
わざと付けただけあるよ。
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