あなた色に染まりたい

パーティー

「バッカじゃねぇの!?」

いつもはからかう側の晴希が珍しく焦っている。

「晴希でも焦ることがあるんだね。あたしも探したくなってきた。どこにあるの？」

美香とあたしはいろんなところを探り始めた。

「ちょっ、悟も蓮も止めてくれよ！」

ちょっぴり焦りながらそう言う晴希を背に、必死に探したんだけれど……

結局見つからなかった。

そのうち飲み過ぎたのか美香が床に寝転がり始めた。

「美香ぁー、寝る前にケーキ食べるよ！」

美香がもう限界に近そうだったので先にケーキを食べたけれど、そのあとすぐに寝てしまった。

「紗羽はほんとに強くなったよな。出会った頃は弱かったのになぁ」

「確かに。すぐに潰れていたよな」

気持ち良さそうに寝息をたてている美香を見ながら、悟と晴希が思い出したようにそんな会話を交わす。

そういえばそんな頃もあったなぁって凄く懐かしくなった。

「あれから飲む機会が増えたからね。そりゃ、強くもなるでしょ」

大輝とのことがあって暇さえあれば飲むようになった。

美香と悟が一緒の時もあれば一人で飲むこともしばしば。