パーティー

9/14
前へ
/358ページ
次へ
「はは、ラッキーって何だよ。でもあん時はかなり焦った。断り続けてんのに、ずっとしつこく言い寄ってきていた女が隣にいたから」 「はは、それ災難」 「だろ? 悟は? ねぇの、そういうの」 「俺はねぇなぁ」 「三人で飲んでいた時は悟はいつも寝るのが最後だったもんね」 美香は弱くてすぐに潰れていたし、あたしは自棄になって飲むことが多かったから、悟には随分迷惑をかけた。 「……そうだったな。いつも俺が世話とか片付けをしていたよな」 懐かしそうに笑みを浮かべながら話す悟。 「紗羽は?」 当然あたしにもくるよね。 晴希は知らないから。 それに蓮だってあの頃のあたしのことはほとんど知らない。 こんな話、醜態をさらすだけのような気がするからあんまり言いたくないな。 そう思いながらも口を開く。 「あたしはしょっちゅうなくしてた」 「そうだったよな」 「あっでも、晴希みたいに目が覚めたら隣に男がぁー! ってのはないよ」 「記憶がなかったならそういうのあったかもしれねぇじゃん」 確かに、あり得なくもない。 でもそれがあるとしたら…… 「そうなの? 悟?」 「バッ、そんなんあるわけねぇじゃん。俺は美香一筋」 「じゃあ何もないね」
/358ページ

最初のコメントを投稿しよう!

6943人が本棚に入れています
本棚に追加