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「男の部屋に一人で行くなよ」
蓮が眉間に皺を寄せながら低い声で呟く。
「えっでも、美香が行けなくなったのは突然だったし、それに晴希だよ?」
「晴希さんはいい人だけど、紗羽のことが好きなんだぞ? いつどうなるかわかんねぇ」
心配してくれるのは嬉しいけれど。
「……」
「もう一人では行くなよ?」
「……わかった」
晴希は友達だしそんなんじゃないのに……と思いながらも、蓮は心配して言った言葉なんだ、と素直に頷いた。
そのあとは何となく気まずくなったけれど二人で街へ出た。
街中を歩いていると、視覚も聴覚もすべてクリスマス一色に埋め尽くされた。
そんな中を蓮の腕に自分のそれを絡ませてぴったりとくっついて歩く。
いろんなお店に入って、洋服を見たりアクセサリー見たり……
蓮との時間を思う存分に楽しんだ。
でもずっと歩き続けたからか凄く疲れてしまって、途中でカフェに入った。
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