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「あたし、もうダメ」
「なんかあったのか?」
あたしの言葉に即座に反応したのは悟……ではなく、晴希。
しかもいつものふざけているときの表情とはずいぶんとかけ離れた真剣なもの。
まだ晴希にはすべてを見せることができないからか、本音は言えない。
「ごめん、ちょっとあったけれど半分はふざけているから気にしないで」
「どうしたんだよ」
濁した言葉に、なおも追求してくる晴希だけれど、やきもち、だなんて恥ずかしくて言えないよ。
「あ、蓮」
そう言った悟が見ている方向に視線を向けると、やっぱり女の子に囲まれている蓮がいた。
その光景に、無意識に眉を寄せてしまう。
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