浮気

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. 「紗羽っ!」 大学を出てバス停までの道をとぼとぼと歩いていると後ろからかけられた声。 ゆっくりと振り返るとそこにいたのは―― 「晴希、どうしたの?」 少し息を乱しているところを見ると、あたしのことを慌てて追いかけてきてくれたんだとわかる。 「やっぱり、送ってく」 「いいって」 何か急ぎの用事でもあったのかなと思っていたのに。 送ってもらうつもりのないあたしは、身を翻してまたバス停までの道を歩き始めた。 だけど―― 「待てって!」 そう言って、晴希はあたしの腕を掴んだ。 「な、なにっ!?」
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