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「ちょっ、晴希っ！」
無言のまま引っ張られて辿り着いた場所は晴希の車で。
そのまま押し込められるように助手席に座らせられてしまった。
晴希も運転席に乗り込んできて、一言も言葉を発しないまま車を発進させた。
それからも晴希は全く口を開かなくて、ちらりと横顔を盗み見たけれどその表情からは何も読み取ることができない。
いつも明るくふざけていることが多い晴希からは想像もできない姿だから、あたしもどうしたらいいのかわからず声をかけることができなかった。
だけどアパートまでの道のりの半分を過ぎた頃、晴希があたしの様子をうかがうようにこっちに視線をちらりと向けた。
そして小さく息を吐いてから静かに口を開いた。
「蓮とうまくいってねぇの？」
「えっ」
予想外の言葉だった。
ただあたしが勝手に嫉妬しているだけなのに、まさかうまくいっていないように見えていたなんて。
「そんなことない。てか、うまくいっていないように見える？」
「んー、どうかな。ただ――」
そう言って言葉を止めた晴希。
ただ――、何？
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