浮気

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あたしのその行動を見て、 「ちゃんと話したほうがいいぞ?」 晴希はそう言ってくれるんだけれど、 「無理だよ……大輝の時とかぶりすぎて怖いの」 ただそういう場面を見たってだけじゃない。 どうしてもあの時の大輝の姿と被りすぎて、蓮は二度とあたしのもとへ戻ってこないんじゃないかって、それが怖くてたまらないんだ。 「あ、俺の携帯にかかってきた」 「えっ! 知らないって言って! 知らないふりをして!」 今はまだ会いたくない。 「……いいのか?」 「うん」 晴希は部屋を出てから電話に出た。 晴希の声がもれてくるけれど、どういう話をしているのかはわからない。 こういう時、部屋が隣って凄く気まずい。 今日、帰れないよ。 晴希、泊めてくれるかな。 いくら晴希とはいえ、二人で一晩ってのはやっぱりマズイかな。 しばらくして、電話が終わった晴希が戻ってきた。 「紗羽、言わなかったけどほんとに良かったのか?」 「うん」 「蓮、かなり焦っていたぞ。ちゃんと話したほうがいいって」 それはわかっている。 蓮から連絡してくるってことは、少なからずあたしのことを心配してくれているから。 でも今は会う気にはなれない。 「……とりあえずメールだけしとく」 「ん、そうだな」 “心配しないで”というメールだけ送って、また電源を切った。
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