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「でも……蓮はあたしのこと、もう好きじゃないんでしょ?」
身体に毛布を巻き付けたまま起き上がって口を開く。
そんなあたしの言葉に、蓮は眉を寄せる。
「何言ってんだよ」
「もう何日も……ううん、何ヶ月も記憶にないくらい、蓮の口からそういう言葉を聞いていない。なのに、いつも女の子をいっぱい連れているから、蓮はもうあたしのことが好きじゃないんだって……」
「好きだよっ! 好きに決まってんだろっ!」
蓮はあたしの言葉に被せるように力強く言葉を放った。
そんな蓮の言葉は嘘じゃないって伝わってくるけれど、
「じゃあ、何で言ってくれないの?」
「言ってないつもりはなかった。ちゃんと言ってるって思ってた」
「……」
ただの、すれ違いだったってこと?
「紗羽……晴希さんとヤったの?」
蓮は眉を少し下げながら、あたしの顔を覗き込むようにして訊いてくるけれど、あたしはそのまま視線をそらしてしまった。
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