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たぶん晴希が畳んでくれたんだと思うけれど、ベッドの横に置いてあった服を着た。
「紗羽……俺、別れるつもりねぇからな。紗羽のこと、ちゃんと好きだから。女もどうにかする」
少し眉を下げながらあたしの顔を覗き込んでそう言った蓮。
あたしだって別れたくない。
「あたしも、蓮が大好き」
そう言うと、蓮はあたしをぎゅっと抱き締めてきた。
「紗羽、バレンタインのチョコありがとな。まだ食べてねぇけど、ちゃんともらったから」
玄関で落としてしまったチョコの箱。
ちゃんと蓮が拾ってくれてたんだ。
「紗羽」
やさしい声が耳に届いて、そのままゆっくり顔をあげると蓮のキスが降ってきた。
とにかく熱いキス……
身体がカッと熱くなった。
「人んちでラブシーンはやめてくんねぇ?」
横から飛んできた声に、体がビクッと反応して慌てて蓮から離れる。
晴希がいたことを、すっかり忘れていた。
「晴希、ありがとね」
「ん、また裏切られたら俺んとこ来いよ。今度はちゃんと抱いてやるから」
「なっ!」
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