6944人が本棚に入れています
本棚に追加
/358ページ
今になって、晴希に抱かれそうになったことを思い出して頬がかあっと熱くなった。
「晴希さん、俺裏切らないですから『また』とか言うのやめてもらえます?」
「でも紗羽が『蓮は裏切らないって言ったのに、信じなきゃ良かった』なんて泣き叫んでいたからさ」
「ちょっ、晴希!」
意地悪そうに口の端を持ち上げながら言う。
いつもの晴希だ。
でも、それは言わないでほしいよ。
「晴希さん、紗羽のことはぜってぇに渡しませんから。つか、紗羽も思い出して赤くなんな。気分わりぃ」
「ご、ごめんなさい」
そりゃそうだ……
あたしが逆の立場なら絶対に嫌だもん。
「はは、おまえらが仲良くやってりゃ、俺は手ぇ出さねぇよ。あっそうだ、今日はもう遅いし泊まっていけよ」
いつの間にか日付がかわっていた。
楽しみにしてたバレンタインが終わっちゃったよ。
結局、晴希の部屋に泊まることになり……
その夜は、蓮の温もりに包まれながら朝までぐっすりと眠った。
最初のコメントを投稿しよう!