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「そうなんだよな……いつまでも叶わねぇ恋をしていてもしょうがねぇってわかってんだけどさ」
晴希があたしの方を見ながら話しているから、凄くどきどきする。
「俺、結構本気だったからさ。まさか大学の四年間、ずっと一人の女を想い続けるなんて思いもしなかった。しかも片思いだぜ? ありえねぇ」
晴希は苦笑しながら話しているけれど……
あれ? でも……
「晴希、大学に入ってから二人と付き合ったって言っていたじゃん」
「あれは……、紗羽が大輝さんと付き合い始めて自棄になったからで」
と、晴希はさらに苦笑する。
「晴希って意外と一途なんだな」
悟が一人納得するように「うんうん」と頷きながら言った。
「『意外と』ってのは余計だろ?」
「えー、意外でしょ!」
「美香って、いつも俺にはつめてぇなぁ」
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