6943人が本棚に入れています
本棚に追加
/358ページ
でも大輝と付き合い始めた頃から晴希とはあまり話さなくなった。
晴希が大輝のことを尊敬していたのは知っていたから、あたしを避けているんだろうなぁとは思っていたけれど。
今思えば、晴希があたしを想ってくれていたからだったんだなぁって思う。
それなのにあたしはそんな晴希の気持ちにも気付かずに、ストーカー事件の時に傍にいてもらうことをお願いしちゃうなんて。
その上、蓮が浮気したと誤解した時なんて、晴希の優しさに甘えて……。
なんてことをしたんだろうって思う。
晴希が新しい恋に走れないのは間違いなくあたしのせい。
「晴希、ごめんね」
なぜだか、涙が出てきた。
「何で紗羽が泣くんだよ？」
「あたしのせいで、晴希が……」
涙がぽろぽろと溢れてくる。
そんなあたしに晴希は、
「やべっ、めちゃくちゃ抱き締めてぇ……蓮いい？」
なんて蓮に向かって言ったけれど、蓮は即言葉を返した。
「ダメに決まってるじゃないですかっ！」
最初のコメントを投稿しよう！