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誕生日という特別な日に、『来年もまた…… 』という約束をしてしまったばかりに、夕日や紅葉も胸を痛くするから大嫌いだった。
そのオレンジを前に、蓮は泣くだけ泣けばいいと涙を流させてくれた。
そのおかげで、オレンジを見て流す涙は全て枯れてしまった。
初めて彼氏と過ごすイブが、真っ白の雪に包まれていたこと……
小さな雪がパラつく中で、“ずっと一緒にいられますように”とお願いした初詣。
降り続く雪を窓越しに見ながら、笑顔で『おいしい』と言って食べてくれたバレンタインのチョコ。
全て幸せだった。
だけど……
どれだけ神に願っても、“願い事”は叶わないものだと知った。
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