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昴川高校の中庭は木々が茂っており、インドア派が多いウチの生徒にとっては、ほとんど縁がない場所だ。ここは心地よい風が吹き、人もあまり寄り付かないため、昼休みにはよくお世話になっている。
そんな中庭に行くと、俺の愛用しているベンチに、一人の女子生徒が座っていた。誰かを捜しているのか、辺りをキョロキョロと見渡している。
ここにいたなら何か知っているかもしれない。俺は彼女に近づいてみると、目が合った。
「咲宮蘭………」
ベンチに座っていた女子は俺のクラスメイトだった。
咲宮蘭は絵に描いたような優等生だ。入学試験での点数がトップだったらしい。
そして顔もスタイルも抜群、性格もいいという完璧超人だ。
咲宮は俺の姿を見つけるとにっこりと笑ってきた。
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