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辺りを見渡せば俯きがちに佇む男達が数人、互いに適度な間隔を保ちながら、それぞれ禁忌を手に取り、それに魅入っている。
時折周囲を窺うように鋭く視線を彷徨わせるその姿は、姿の見えない何かに怯えているようにも見えた。
彼らに倣い、試しに俺は近くにあった禁忌の一つを手にとってみた。
そして、どこか危険な香りに満ちているその姿を瞳に焼き付けた瞬間。
俺の身体に変化が起きた。
「っ!!?」
突如込み上げた熱に驚いて、俺は自分の鼻と口元を片手で覆うようにして押さえた。
恐る恐るその手を目の前に持ってくれば……そこには、赤色。
……血だ。
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