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「食べてもらうわ。」
「そ、それをですか?」
「そうよ。この鼻くそには治癒作用があるわ。この鼻くそがあなたの痛みを癒す。」
死んでも嫌だ、俺のことを鼻くそを盛って殺す気なんだ。
「嫌です。」
「まぁ、仕方ないか。いきなり家に上がり込んでしまったもの。なら・・・これなら信じてもらえる?」
すると日連は手についた鼻くそを口に入れた。
ごっくんとした後、口を開けてみせて
「どう?毒はないわ。」
と言ってペロリと唇を舐めた。
どうやら本当に害は無いようだ。だが、人の鼻くそを食べる様を見て不信感を抱かざる負えない。
「質問してもいいですか。」
「・・・どうぞ、私には答える義務があるわ。」
「なぜ、俺が頭と目が痛いと分かったんですか。」
「秘密よ。」
「そうですか。」
「ちなみに、俺の心が読めるのはその眼鏡のお陰ですね。」
すると日連の眉毛はわずかに上がり。
「どうして、そう思うの?」
と言った。
その時、俺は確信した。[花塚日連はチョロい女だ。]
「あなたの眼鏡。度が入ってないみたいですし、あなたの顔の大きさに比べて、その眼鏡のサイズは大きすぎます。」
すると花塚日連は驚き、その拍子に眼鏡が下にズレた。
「その眼鏡はあなたの物ではない。恐らく今回の事件で俺に接触する為に用意したモノですね。」
「鋭いわね。確かにそうよ。」
日連はやられたといった表情で言った。
「ちゃんとサイズ合わせてとけばバレることも無かったのにね。」
「いえ、そんなことも無いですよ。」
「え?」
「あなたの眼鏡の掛け方、不自然ですもん。普通、髪の毛はフレームの外に出すのに・・・まるで耳元を隠したがってるようだ。」
日連は髪の毛を耳に掛けるとコードレスのイヤホンが現れた。
「そのイヤホンで外部から指示をもらっていたんですね。」
「・・・さすがね。」
「もう一つの質問いいですか。」
「これ以上のボロは何も出ないわよ。」
「いえ、俺に接触した理由についてです。あなた、俺を試しましたね。」
「どうしてそう思うの。」
「回りくどいのが嫌いと言ったあなたが回りくどい任務についてるからですよ。だからそういうボロが出てくる。」
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