花塚病院

4/6
前へ
/11ページ
次へ
「ちょっと!何するんですか!」 俺はあまりの突然の出来事に驚くだけで、頭で思っていることを行動に移すことが出来なかった。 花塚日連は俺の部屋の前まで来ていた。 待て!・・・そこは俺の部屋だ!! すると花塚日連は顔をこっちに向け 「あ、こっちがあなたの部屋なのね、じゃあこっちは外れか。」 !? この人・・・さっきから俺の図星をとことん突いて来てる・・・。 初対面に感じた鋭い勘。 もしかしたら心が読めるのか? 「あら、顔もいいけど、頭もキレるみたいね。」 え?今、褒められたのか?自然と顔が赤くなる。 「クスッ・・・素直で可愛い。なら、こうしたらどうなるのかしら。」 花塚日連は部屋のドアを開けて中に入っていった。 最悪だ・・・部屋を片付けておけばよかった。 「汚いわね。いかにも彼女がいなそうな部屋。」 花塚日連は皮肉が上手い。 「趣味はざっとみると漫画ね、高校生にもなってまだおもちゃは捨てられてないみたいだけど。」 男子高校生の部屋などそんなものだ。 はっきり言えば小学校の頃、親から自分の部屋を与えられてから何も変わっていない。 俺は花塚日連に続いて馬鹿にされた自分の部屋にフラフラと入った。 「で、いきなり部屋に入って来て何者ですかあなた。」 「ごめんなさいね。説明を先にするべきだったわ。回りくどい言い方するのは嫌いだから単刀直入に言うわ。」 「私は花ちゃんの姉です。日連と呼んでもらって構わないわ。今日はあなたを治しに来たの。」 「お姉さん!?ですか。なんで花ちゃ・・・花さんのお姉さんが・・・治すって何をですか?」 「花ちゃんでいいのに。あなた頭と目が痛いんでしょ?」 日連が笑いながら言った。 「あ、そういえば・・・。」 突然すぎる出来事に体調が悪いのを忘れていた。 「昨日の爆発は妹が起こしたモノだってことは知ってるわ。そしてあなたは爆風をモロに浴びたでしょ?だから私が謝罪の意味も込めてあなたを治しに来たの。」 謝罪にしては頭が高過ぎるだろ!プロレスラーでもそんな謝罪しないわ! するとおもむろに日連は鼻くそをほじり始めた。 「ちょ!!何やってるんですか!!」 日連は鼻くそを取出し、人差し指と親指で練り始めた。 流石、姉妹。練る手つきはそっくりだ。
/11ページ

最初のコメントを投稿しよう!

3人が本棚に入れています
本棚に追加