一人の馬鹿

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「―――おいお前ぇ!!!何してくれとんだゴラァ!!!あぁ!!?」 「やぁ、さっき振りだね。痛くない様にしたんだけど、どうだったかな?」 「覚悟は出来てんだろうなぁ……!!!!」 「お、お前………もしかして、無理矢理押し入ったのか!?」 クリスティーナが信じられないものを見るようにアルティオを見ている。 今日は色んな目で見られるなぁ、と暢気に考えながら、殺気立って此方を睨み付けている男達に平然と言い放つ。 「此処にはもう用事無いから、そろそろ帰らせてもらうよ。この娘も望んでるしね」 「出来ると思ってんのか?おぉ?てめえは此処で死ぬんだよ!!」 「さぁそれはどうだろう。ちょっと失礼」 「わきゃ!?」 数歩下がり、クリスティーナの身体を肩の上に担ぎ上げる。 上で騒ぎ出すのを無視して、アルティオは身体の重心を僅かに沈み込ませた。
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