一人の馬鹿

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「あっはっはっは!!今度は鬼ごっこだね」 「こ、こ、ここここっ!!?」 「あれ、クリスは物真似?分かった、鶏だね。うん、似てる似てる」 「違うわ慮外者がぁ!!!」 「えっとじゃあ……鳩?」 「そういう事ではなぁい!!」 「居たぞ、あそこだぁ!!!」 「おっと、意外と早いな」 ちらりと背後を確認すると、帯剣した人間が幾人も追い縋って来ていた。 当然後ろを向き続けているクリスは気付く訳で、恐怖からか声を張り上げる。 「お、追ってきておるぞ!!」 「追っ手だけに追ってくる、なんちゃって」 「くだらないこと言っとる場合か!?」 「和ませようと思ったんだけどね。急ぐ方がお好みかな?」 「つべこべ言わずに急げぇ-!!!」 「はーい。あまり動かないでね?」 そう注意すると、身を低くして更に加速する。
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