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俺の名前は浅田雨竜(あさだうりゅう)
歳は十九、普通の大学一年生だ
外見的に見るとどこにでもいそうな一般的な大学生だが……俺以外の家族は少し?違う
住まいは都内の住宅街にあって3階建てで地下一階のある普通の一軒家だ
「ただいま~……って
この時間は誰もいないよな…」
俺の両親と姉貴は全員が世間一般的にいうと芸能人なのだ
父親はドラマの人気俳優
母親は親父と結婚するまでは、バリバリの大人気アイドル
姉貴を産んだのを気に女優に転身したらしい
そして姉貴はその両親の影響を幼い頃に受けて、今や有名モデルと人気歌手の二足の草鞋を履いている
俺はリビングのガラス製のテーブルに置いてある何かが書かれたメモに気付いて手に取った
「え~っと…
姉貴と親父に手作り弁当を届けて
母さんにはドラマの台本の配達か………って俺は宅配便かッ!」
俺はこうした生活を高校生から
ぃや…厳密にいえば中学の卒業と同時にやらされていると言ってもいいだろう
そのあと俺はメモ通りに姉貴と親父の弁当をパパッと作り終えて
母さんの寝室の机に置いてあったドラマの台本を取りに行き
その全てをカバンに入れ、玄関を出て車庫にあるバイクにまたがった
「到着時刻は~2時半前ぐらい」
ヘルメットを被ってバイクを走らせる俺
*午後2時30分
「到着~っと」
時間通りにテレビ局に到着した俺は駐車場に向かい、バイクを止めてからテレビ局に入った
何故、俺が入館パスもなくテレビ局に普通に入れるかって?
それは両親に毎日のように色々なテレビ局に連れて行かれて顔を覚えられているからである
言わば顔パスだ
「え~と…姉貴は~…」
俺はテレビ局のスケジュール表を見て姉貴と親父がいる場所を捜した
「お~いたいた」
姉貴と親父がいる場所を発見した俺はエレベーターに向かった
*スタジオ
「はーい!休憩時間でーす!
本番再開は4時からとなってますので遅れないようお願いしまーす!」
若いスタッフが出演者に大声で伝えて出演者がスタジオを出始める
「お~い
そこのお嬢さん…騒がずゆっくり手を挙げな…」
スタジオを出てきた一人の女性出演者に後ろから硬いモノを突き付ける男性
女性出演者が少し脅えながらも軽く両手を上に挙げる
「お弁当の宅配ですよ…姉貴」
軽く笑いながら後ろから挙げた手に弁当を渡す雨竜
「もー渡すなら普通に渡せっていっつも言ってるじゃんか!雨竜」
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