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これがうちの姉貴、浅田玲菓(あさだれいか)である
「じゃあな、姉貴
弁当はちゃんと家に持って帰ってこいよ~
次は親父んとこっと」
「わかりました~」
玲菓と別れて父親の元へ向かう雨竜
「親父…親父…あった」
父親の名前が書かれた楽屋に入る雨竜
「何だ…親父いないのかよ」
机に置いてある封筒とメモに気付いた雨竜がメモを読む
〔雨竜へ
俺の弁当は部屋にさっさと置いて、早く悠希(はるき)さんに大事な台本を届けに行きなさい!
P.S.
封筒に入っているのは、今月分の生活費+学費+お小遣だ
それと悠希さんと俺は撮影で少しの間、家を空けるから家の事は頼んだ
最後に、ちゃんと自分の決めた道を進むように、芸能界に入りたくなったらいつでも頼りなさい
父の泰我(たいが)より〕
「はいはい、わかりましたよ」
机の上にある封筒をカバンに入れて代わりに弁当を置いて楽屋を出る雨竜
*玲菓の楽屋
「玲菓、何食べてんの?」
お弁当を食べている玲菓に女性が尋ねる
「魅稀(みき)~、弟の雨竜が作ったお弁当だよ」
「そのお弁当を見ると玲菓の弟って相当、料理上手だよね」
「当たり前じゃん!
高校生からずっとやってるから料理も上手になるよ」
「ホント…玲菓に使われてる雨竜君に私は同情するよ」
「雨竜が自分で経済面以外は出来るだけ自立するって言うんだもん
だから私達家族は雨竜に協力しているだけだも~ん」
「あ~雨竜君には自由というモノを私から差し上げたいよ」
魅稀が呆れたように玲菓に言う
バイクで母親の悠希がいる撮影場所に向かう雨竜
*撮影現場
「もう間もなく撮影を開始しますので準備のほうお願いしまーす!」
スタッフが休憩しているドラマの出演者に呼びかける
「あ~早く雨竜来てよー
もうすぐ撮影始まっちゃうじゃん」
撮影現場でオドオドする悠希
「母さーん!ゴメン…
道混んでて遅くなった!はい、台本」
息を切らして走ってきた雨竜が悠希にカバンから取り出した台本を渡す
「一応、台詞んとこにふせん貼っといたから」
「サンキュー♪雨竜」
受け取った台本をすぐさま見る悠希
「悠希さーん!
撮影準備が出来ましたので来て下さーい!」
スタッフが台本を読む悠希を呼ぶ
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