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重厚な自動ドアを抜けると、ひんやりとした空気に包まれ、外の蒸し暑さが一気に吹き飛んでいった。
光が差し込み明るいロビーの10メートルほど奥に受付が見えて、俺は真っ直ぐにそこに向かう。
紺色のブレザーに真紅のスカーフを巻いた受付嬢が三人、俺の事に気づいて立ち上がり笑顔を見せた。
「白鳥部長に会いたいんですが」
「お約束はいただいてますか?」
俺の言葉に、真ん中の受付嬢が答える。
「いやっ、約束はしていないが、染谷(そめや)が来たと伝えてくれたらわかる」
「わかりました。お伝えしますので、しばらくお待ちください」
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