日常

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年長、5歳児。「つき組」 担任は2人。 常勤のクレアとパートのシンだ。 基本的に、クレアがメインでこどもの前で話をする。 (シンは面倒だからあまりやらない) 「みんな、今日は魔法の属性について教えるからね」 5歳児は1日一時間、勉強の時間がある。 クレアとシンが前に立ち、こども達は周りに集まって床に座りながら 楽しそうに話を聞いている。 「属性について知ってる人はー?」 みんなが一斉に手を挙げる。 当ててもらおうとして、「はい」を言う声がどんどんヒートアップしていく。 「静かにね」 勢いに飲まれそうになるクレアを見兼ねて シンがにっこりと静かに微笑みながら言うと ピタリと声が止む。 「(流石シン先生)じゃあ、ハリスくん」 クレアに当てられたハリスが立ち上がり、答える。 「うん。しぜんけーが、風、火、水、土、雷、闇、光だっけ?」 「はい、自然系は正解ですよ。 あとは特殊属性と無属性もあるけど お口で説明してもわかりにくいよねー 今日は魔法をみせながら、説明しましょう。 シン先生が!」 クレアがにっこり笑ってシンを見る。 「...何で..俺、落ちこぼれだけど?」 「貴重な魔法が見れれば何でもいいのよ。クレア先生は一般人だから使えないもん!」 ばっちり笑顔でピースしながら答えるクレア。 こどもたちはなるほどーと騒いでいる。 (もん、じゃねーよ。俺より年上の癖に。) 「いいから、やりなさい」 クレアはセンスで、「察知」「洞察力」が優れている。 読もうと思えば、他人が持つ感情や気持ちを読み取れる。 故に、シンは下手に逆らえない。 「....はい、じゃあみんなこっち向いてー。 アリスとハリスは手伝ってねー」 シンは諦めて、双子を手招きして前に立たせた。
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