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ある日のこと――――
「はぁ……………」
「桜、どうかしたの?」
「んあ?舞姫か………」
「ため息なんかついて何か悩み事?」
「いや、さっき咲が一人で出掛けたんだけど何の連絡もないから心配で」
「………………………」
………はぁ。
こっちがため息を付きたくなる、舞姫はそう思いながら呆然とした。
「(人が心配して聞いてみればこれか………やれやれ、とんだシスコンね)」
まぁ桜と言えば咲、と言っても良い程に妹命な彼だから今更と言えば今更なのだが。
舞姫が呆れる中、桜はぶつぶつと話し(語り)始める。
「も、もしかして道端で変な野郎の毒牙に…?!あぁ咲が心配だ…!」
「(毒牙って…)ま、まぁ桜、落ち着いて……」
「落ち着いてられるか!俺の可愛い可愛い妹が危ない目に会ってたらと思うと苛々する………チッ」
「(また暴走始めちゃった…でも、それだけ咲ちゃんは大切な妹って訳だし……)」
毎回のことではあるのだが、舞姫はそう思いある決心をする。
「(呆れちゃ駄目よ私!桜を励ましてあげないと…!)」
若干失礼ではあるが舞姫は暴走し怒ったり落ち込んだりしている桜に力説を始めた。
「だ、大丈夫よ桜!桜はどうしようもない残念なシスコンだけど咲ちゃんにとっては大切なお兄さんな訳だしっ……たとえ昴や緋乃に貶されてウザがられてもシスコンで突き進むべきよ!」
よしっ、完璧…!
これで桜も元気になるわ、そう舞姫は達成感に浸るが
「えっ………ちょ……全然フォローになってないんですけど!?」
そりゃないぜ………
と、ガクリと桜が項垂れたのは言うまでもない。
「ははっ…目の前が霞んで見えないや…」
「はわわ…!ご、ごめんなさい桜ー!」
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