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プロローグ
窓を打つ風の音がした。
いやになるくらい外は明るく晴れ渡っているのに、風だけはきついのね、とフラウローゼは思う。
二階にある自分の部屋に大きく取られた窓からはあたたかな日差しが降り注いでいるが、今朝になって突然用事ができたと出かけて行った兄はさぞかし寒い思いをしているだろう。
しきりに外へ出るよう語りかけてくれていた兄だったが、とてもそんな気分ではないと断り続けているうち、もう無駄だと思われてしまったのだろう。今日は何も言い置いて行かなかった。
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