プロローグ

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1-2  厳重に戸締まりをし、一度来客があったようだが居留守を使った。  もう誰にも会いたくない。  どんな努力をしても、誰かの役に立てるようなことは何もできないのだ。  先日もそうだ。魔族の長とその弟がやってきて、塔の地下に閉じ込められている水飛竜を救い出すお手伝いを頼まれたものの、結局自分が翼を傷め、彼らに救い出されてしまった。  本当は彼らではなく、誰よりも長を敬愛するあの人の役に立ちたかった。
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