この空を、君と。

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大学に入って二ヶ月半。 俺――桐野 優翔(キリノ ユウト)――は、それなりに大学生という新生活を楽しんでいる。 まぁ、楽しんでいるのは遊びのほうで、授業なんて真面目に受けていないが。 今だって、大講義室の遥か後ろの席でグータラと携帯電話をいじったり、居眠りをしている。 「……構成要件的該当性とは、まずAがBを殺害した場合……」 マイクから流れる単調な日本語が室内に響き渡る。もっとも、どんな大音量でも俺の鼓膜はビクともしないだろうが。
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