雨の日。

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雨の日。

 思い出すときは、いつも雨だ。  薄いレースカーテンを開け放ち、灰雲から落ちる雫を追って、知枝(チエ)は地面を見た。  電子ケトルから大袈裟なくらいの蒸気が上がり、カチリと音がする。  タイミングを図るようにトースターから食パンが飛び出し、香ばしい匂いが漂った。
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