一、紅色紅葉

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ご飯も食べ終わり、もう寝る時間になっていた。 布団を敷いていると、とっくに布団にもぐっている捺野兄が話しかけて来た。 「華奈、今日良いことでもあった?」 「え、何で?」 「いつもより明るい」 「えーそうかなぁ…そんなに良いこと無かったよ?薬屋解らなかったし」 そう?と言って捺野兄は笑った。 「まぁ…平穏だったことには変わりないよ」 「そうだね」 乱戦がいつ激しくなるのか解らない。だから私達はその日まで平穏に過ごしたかった 家族と…共に…… 捺野兄がろうそくを消す時、バタバタとお父さんが来た。 「捺野!華奈!今すぐ逃げろ!」 焦りながら出した大声のあと、お父さんの居る辺りから赤く、何かが飛び散った。 朱く…お父さんの血が…… 「と…父さん!」 捺野兄がお父さんのほうへ走ると、ユラリと人影が動いた。 「貴様…俺達のお父さんを殺したな!?」 捺野兄が怒鳴ると、刀を持った武士がニヤリと笑った。 「嗚呼、殺したとも。邪魔だからな」 「貴様~~!」 捺野兄は枕の下に置いていた愛刀を持ち、鞘を抜くと武士のほうへぶつけた。
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