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ご飯も食べ終わり、もう寝る時間になっていた。
布団を敷いていると、とっくに布団にもぐっている捺野兄が話しかけて来た。
「華奈、今日良いことでもあった?」
「え、何で?」
「いつもより明るい」
「えーそうかなぁ…そんなに良いこと無かったよ?薬屋解らなかったし」
そう?と言って捺野兄は笑った。
「まぁ…平穏だったことには変わりないよ」
「そうだね」
乱戦がいつ激しくなるのか解らない。だから私達はその日まで平穏に過ごしたかった
家族と…共に……
捺野兄がろうそくを消す時、バタバタとお父さんが来た。
「捺野!華奈!今すぐ逃げろ!」
焦りながら出した大声のあと、お父さんの居る辺りから赤く、何かが飛び散った。
朱く…お父さんの血が……
「と…父さん!」
捺野兄がお父さんのほうへ走ると、ユラリと人影が動いた。
「貴様…俺達のお父さんを殺したな!?」
捺野兄が怒鳴ると、刀を持った武士がニヤリと笑った。
「嗚呼、殺したとも。邪魔だからな」
「貴様~~!」
捺野兄は枕の下に置いていた愛刀を持ち、鞘を抜くと武士のほうへぶつけた。
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