一、紅色紅葉

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「この薩摩潘士様にガキが勝てるとでも?」 「うるさい!父さんの仇をとってやる!」 捺野兄は得意げのように刀をぶつけるが、だんだん力が無くなって速度も落ちていた。 そして私を見て捺野兄は決意してしまった。 「華奈!お前だけでも逃げろ!」 「!?」 布団に潜りたいほど怯えていた私は、捺野兄の願いをすぐに聞けれなかった。 でも何も出来ない私は、刀を持って外へ走った。 (捺野兄…) 未だ決着の見えない捺野兄にまた会えることを祈りながら…… 「こら待て!」 「!!」 後ろからまた別の薩摩潘士が、私を追いかけて来た。 (どうして…どうして私達は追われなきゃいけないの!?) 心辺りは確かにあった。でも…こんなやり方で狙ってくるとは想像出来なかった。 京の町まで走って来たが、まだ彼らは私を追う。 行く宛ても、逃げ場所も見当たらないまま走り続けた。 「きゃっ…」 しかし走り続けたせいか足をくじいて転んでしまった。 土に手を付けた頃はもう、薩摩潘士に囲まれていた。 「さあ、もう逃げられないぞ“狐”」 「大人しく我ら、薩摩潘の狐になり、我らの命令を聞くんだな」
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