一、紅色紅葉

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薩摩潘士の笑いが恐く聞こえた。 「やだ…あんたらの命令なんて…」 ギュッっと愛刀を抱きしめ、縮まった。 「我らの命令を聞くだけだぞ?それともここで肌を見せるか?」 「絶対あんた達の狐になんてならない!」 「「!?」」 私の居る周りからひらひらと紅葉が舞い散った。 「狐!一体何の真似だ!!」 「うるさい。あんた達の命令なんて聞かないわよ」 ユラリと立ち上がると、私は鞘を抜き落として刀を向ける。 「私を怒らせた罪…とってもらうわよ?」 そう言って一人の薩摩潘士に刀をぶつける。 キンッ キンッ ザシュッ 「ぐあぁぁ…っ」 血が飛び散ると、他の薩摩潘士達は後ずさる。 「おい…これ…まずくね?」 「退散?」 (……今私どう見えてるんだろ…) 刀に付いた血が、私の周りの血が、“私”の本能が震え上がる。 怯える薩摩潘士達が美味しそうに見えてくる。 「“獲物”は…逃がさない」 ぺろりと舌を回すと、後ずさる薩摩潘士のほうへ走る。 「に…逃げろ!退散だ~!」 ワァー…と悲鳴を上げながら、薩摩潘士達は走り去った。
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