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薩摩潘士の笑いが恐く聞こえた。
「やだ…あんたらの命令なんて…」
ギュッっと愛刀を抱きしめ、縮まった。
「我らの命令を聞くだけだぞ?それともここで肌を見せるか?」
「絶対あんた達の狐になんてならない!」
「「!?」」
私の居る周りからひらひらと紅葉が舞い散った。
「狐!一体何の真似だ!!」
「うるさい。あんた達の命令なんて聞かないわよ」
ユラリと立ち上がると、私は鞘を抜き落として刀を向ける。
「私を怒らせた罪…とってもらうわよ?」
そう言って一人の薩摩潘士に刀をぶつける。
キンッ
キンッ ザシュッ
「ぐあぁぁ…っ」
血が飛び散ると、他の薩摩潘士達は後ずさる。
「おい…これ…まずくね?」
「退散?」
(……今私どう見えてるんだろ…)
刀に付いた血が、私の周りの血が、“私”の本能が震え上がる。
怯える薩摩潘士達が美味しそうに見えてくる。
「“獲物”は…逃がさない」
ぺろりと舌を回すと、後ずさる薩摩潘士のほうへ走る。
「に…逃げろ!退散だ~!」
ワァー…と悲鳴を上げながら、薩摩潘士達は走り去った。
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