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部活動の終了時刻になり、私はスケッチブックを閉じた。
荷物をまとめて美術室を出たところで文乃が待ち構えていて、私は驚き声をかける。
「文乃なんでいるのー!図書室にいるって言ってたじゃん!」
「行ったよ図書室。あのねっ?すごい面白い人がいてさ!」
「待ちきれなくて来ちゃった?」
「そう!」
大きく頷く文乃がすごくかわいくて私まで笑顔になる。
斉藤文乃と佐藤彩乃。出席番号が前後だった私達は、高校に入学したその日に友達になった。
そして日を重ねるうちに実感した。
私達は二人で一人なのだ。
文乃が好きな物は私も好きだし、私が好きになる物は文乃も好きになる。
一緒に買い物に行くと服や文具も同じ物を選んでしまい、毎回色違いで揃えた。
文乃はいつも私を大好きだと言って抱きしめてくれる。
そんな文乃がかわいくて嬉しくて私も文乃を抱きしめ返す。
私達は違う家に生まれ育ったけど、魂は双子なんだ。本気でそう思えるほど、私には文乃が大切な存在だった。
きっと文乃も。
私と同じ事を思っている。
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