彩乃、五月

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滝君と話してみたい。 滝君への恋心は私の中で日に日に成長している。 それはきっと文乃もそう。 「告白してみない?」 部活が終わって駅まで歩く道すがら私は文乃に提案してみた。 「……してみたい」 文乃の答えも予想通り。やっぱり私達は繋がっている。 だけどいやだ。 滝君が文乃だけを選ぶとか、私だけを選ぶとか、そんな魂を引き裂くような結果になるのだけは絶対いやだ。 「彩乃……私、彩乃と…………彩乃と一緒じゃなきゃいやだよ……?」 ほらね。文乃もやっぱり同じ事を思ってたんだ。 「当たり前じゃん。私だって文乃がいなくちゃいや」 ほっとした表情の文乃がかわいくて私は思わず文乃の手を握る。 どうやって告白しようか……。呟きながら私達は手を繋いだまま夕暮れの駅前通りをゆっくり歩いた。
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