93人が本棚に入れています
本棚に追加
──少年はその無残な姿になった少女を
抱き上げ嘆いた。
少年の手には血に染まり、生暖かい感触と目の開かない少女の冷ややかな肌が、それは少女の死と知った時、少年はショックで意識が飛んだ。
そして少年が目を覚ました時は病室のベットに横たわっていた。
そこにいた両親を見たとき、気付く。
名前は分かるのに一緒に過ごした日々が思い出せない事。
ご飯の食べ方は分かるのに、味を覚えていない。
そして、泣くことも笑う事も体や心で表す事が出来ない。
少年は思い出を無くしたと同時に感情を失った。
そして月日が流れ、思い出と感情を無くした少年。東城貴哉(とうじょう、たかや)は高校一年の時。
最初のコメントを投稿しよう!