さあ、物語の始まりです

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「か、可愛い!どうも。僕、大和の親友やってます湯浅 司というものです」 「おい司!俺のスイートエンジェルに近付くな!」 「黙れ!真顔で鼻血垂らしてるお前よりかマシだ!」 下品としか言い様のないオス二匹の口論。 全く。目も当てられんな。 「こんにちは紫音ちゃん。わざわざ弁当届けに来るなんて偉いな」 「さ、朔夜さん!こ、こんにちは」 俺の存在が空気になりつつあったので紫音ちゃんに挨拶。紫音ちゃんも少し慌てて返事を返してくれました。 それにしても…… 「もう昔みたいに『朔にぃ』とは呼んでくれないのかな?」 冗談のつもりでそう尋ねてみると…… 「ふぇっ!?」 とか言って顔を真っ赤にしてしまいました。 いや……公共の場だから自重したってのは分かるんだけどね…… 三日前会った時には「朔にぃ」って呼んでたし。 期待通りのリアクションでしたが可愛さは予想を遥かに越えてました。 「いや、あの、その、流石に人前でそんな呼び方したら朔に……じゃなくて朔夜さん迷惑かと思って!決して朔夜さんが嫌いになったとかじゃなくて……あうぅ……」 兵藤 朔夜。16歳。 本日「萌え」を知りました。
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